2015年06月27日

LED調光 -第2回:作成

前回はLED調光をするための可変抵抗器やPWMについて説明をしました。今回はLED調光できる回路をを作っていきます。


目次



1. 回路

回路は2つに分けられます。
  • 可変抵抗器を使ったアナログ入力の回路(下図左側のR2)
  • PWMでLEDを制御する回路(下図右側のR1とLED1)

27_Scheme_ContLED1.png

回路に使用する部品は下表の通りです。
        
 記号品名型番特性秋月電子通商
通販コード
 
 1Part1マイコンボードArduino Uno rev.3-- 
        
 2LED1LEDOSDR3133A最大順方向電流 30[mA]
標準順方向電圧 2[V]
I-00562 
        
 3R1抵抗器-抵抗値 330[Ω]- 
        
 4R2可変抵抗器3386T-EY5-103TR最大抵抗値 10[kΩ]P-08012 
        
この可変抵抗器を選んだ理由は3つです。
  • 足の間隔が2.54mm(ブレッドボードの穴間隔も2.54mm)
  • つまみが大きい
  • 0.1〜1.0[mA]程度くらいの電流を流したい( 5[V]/10[kΩ] = 0.5[mA] )

LEDの順方向電流は10[mA]程度にしたいので、直列接続する抵抗は330[Ω]を選びました。

選定した部品の値を記入した回路図が下図です。

27_Scheme_ContLED2.png


2. 実装

1項で検討した回路図をブレッドボードに実装しました。

27_Board_ContLED1.png

注意するのは可変抵抗器のつまみの向きとワイパが動く方向です。この可変抵抗器のデータシートにはつまみを時計回りに動かすとワイパが1番ピンから3番ピンへ動くと書いてあります。

27_TSR3386ワイパ方向.PNG
引用元:秋月電子通商 通販コードP-08012 データシートより

つまみを時計回しに動かしたときアナログ入力の電圧が上がる回路にしたかったので、1番ピンをGNDに、3番ピンを5[V]に接続しています。


3. スケッチ

ArduinoのanalogWrite()関数でPWMの出力ピンとDuty比を設定できます。Duty比の設定は0から255まで可能です。0なら常にOFF、255なら常にON、127ならDuty比は約50%です。

LED調光を行うためのスケッチはArduino公式ページにあるanalogWrite()関数のExampleをそのまま利用できます。
このスケッチはArduino A3ピンのアナログ入力値(0〜1023)を4で割った値をDuty比として、D9ピンに出力しています。


上記の回路図とスケッチを元に実際に作成したのがこちらです。可変抵抗器を動かすとLEDの明るさが変わります。


これでLED調光は完成です。しばらくはアナログ入力を使って色々作ろうと思います。


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2015年06月20日

LED調光 -第1回:概要(可変抵抗器、PWM)

今回からはArduinoのアナログ入力機能を使って、LEDの明るさを変えます(=調光)。
調光は3つの手順で行います。
  1. 手動でアナログ入力の値を変える
  2. Arduinoがアナログ入力の値を読み込む
  3. アナログ入力の値に応じてLEDの調光をする

手順2の「アナログ入力の読み込み」は温度センサーでやりました。今回新しく行うのは手順1の「手動でアナログ入力の値を変える」と手順3の「LEDの調光」です。
手順1は可変抵抗器という部品、手順3はPWMというArduinoの機能を使います。


目次



1. 可変抵抗器

可変抵抗器の仕組み

可変抵抗器というのは文字通り抵抗値を変えられる(=可変できる)抵抗器です。
下図は実物と回路図です。普通の抵抗器は足が2つですが、可変抵抗器は足が3つあります。
20_P-08012.jpg

引用元:秋月電子通商 通販コードP-08012 商品ページより

19_可変抵抗器_1.png

可変抵抗器は中に長い抵抗体と、その抵抗体に接触しているワイパがあります。つまみを動かすとワイパが動きます。上記の回路図ですと矢印部分がワイパです。
19_可変抵抗器_2.png
※数字はピン番号。1番ピンと3番ピンは抵抗体に、2番ピンはワイパに接続されていると設定

物質は材料や太さが同じなら、長いほど抵抗値は大きく短いほど抵抗値は小さいです。
下図のようにワイパが抵抗体を$3[k\Omega]$$7[k\Omega]$に分割する位置にあると、それぞれのピン間の抵抗値は次にようになります。
(1番ピン-2番ピン間:$R_{12}$、1番ピン-3番ピン間:$R_{13}$、2番ピン-3番ピン間:$R_{23}$、)
19_可変抵抗器_3.png

$R_{12} = 3[k\Omega]$
$R_{13} = 10[k\Omega]$
$R_{23} = 7[k\Omega]$

このように可変抵抗器はつまみを動かすと、中でワイパが動いてそれぞれのピンの間にある抵抗体の長さが変わり抵抗値が変わります

可変抵抗器によるアナログ入力の変更

前回分圧(直列接続されている抵抗器に加わる電圧はそれぞれの抵抗値に比例)ついて説明しました。これを利用すればArduinoのアナログ入力値を変えることができます。
抵抗体の両端を+5[V]とGNDに、ワイパをアナログ入力に接続します。
19_可変抵抗器_4.png

このように接続することで+5[V]が可変抵抗器によって分圧されます。分圧された電圧はArduinoのアナログ入力へ接続されています。
ですので、可変抵抗器のつまみを動かすと、抵抗値が変わってそれに比例して電圧が変わり、電圧が変わることでアナログ入力の値が変わります


2. PWM

LEDを調光するためにArduinoのPWM(Width Modulation)という機能を使います。簡単に言うと高速でON/OFFを繰り返し、電流を調整する機能です。
下図はArduinoがデジタルピンにHighを出力したときの波形とLEDです。Highを出力していますので、波形は+5[V]で安定しています。
20_wave_DC.png

20_PWM100per_DC_IMG_8322.jpg

下図はArduinoがPWM出力を行ったときの波形とLEDです。+5[V]と0[V]が切り替わり、LEDが暗くなっているのがわかると思います。
20_wave_PWM20per.png

20_PWM20per_IMG_8326.jpg

PWM波形の内ON(この場合は+5[V])になっている割合をDuty比といいます。上の図はDuty比20[%]です。
Duty比が100[%]に近づけば電流が増え、0[%]に近づけば電流が減ります。Duty比を変更してLEDに流れる電流を変え、LEDを調光します。


これでLEDの調光に必要な機能の説明は終わりです。
次回は実際に可変抵抗器やPWM機能を使い、LED調光をします。


参考文献

  1. トランジスタ技術2013年4月号. CQ出版社, 2013, p.45.
  2. Arduino. "PWM". Arduino. http://www.arduino.cc/en/Tutorial/PWM, (参照 2015-6-20)


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2015年06月14日

番外編 -合成抵抗、分圧と分流

前回まででArduinoのアナログ入力を使った温度センサーを作りました。今回はアナログ入力機能を使って何かを作る予定でしたが、一度電気回路についての説明をします。
今回説明するのは抵抗器が複数ある回路の計算です。抵抗器が1つのときは電流や電圧はオームの法則で計算できましたが、複数になるとオームの法則に加えて合成抵抗や分圧、分流の計算をする必要があります。今回はこれらについて説明していきます。


1. 語句の説明

合成抵抗や分圧、分流を計算する必要があると言いましたが、まずこれらの語句について説明します。

合成抵抗とは抵抗器を複数組み合わせたときの回路全体の抵抗値です。下図左側の回路の合成抵抗が$R[\Omega]$ならば、左側の回路と右側の$R[\Omega]$1つの回路は同じです。
12_語句の説明_1.png

抵抗器を直列接続している回路に電圧を加えると、それぞれの抵抗器で電圧降下が発生します。これを分圧といいます。
下図の回路ですと、回路全体の電圧$V[V]$が抵抗$R_1[\Omega]$$V_1[V]$、抵抗$R_2[\Omega]$$V_2[V]$分圧しています。
12_語句の説明_2.png

抵抗を並列接続している回路に電流を流すと、電流がそれぞれの抵抗器に流れます。これを分流といいます。
下図の回路ですと、回路全体の電流$I[A]$が抵抗$R_1[\Omega]$$I_1[A]$、抵抗$R_2[\Omega]$$I_2[A]$分流しています。
12_語句の説明_3.png


2. 計算式

合成抵抗や分圧、分流の計算を順番に説明してします。

合成抵抗の計算式は直列接続と並列接続で違います。直列接続の合成抵抗は抵抗値の合計です。
$R = R_1 + R_2 + \cdots + R_n$

12_計算式_1.png

並列接続の合成抵抗は直列接続に比べると複雑になり、抵抗値の逆数の合計の逆数です。
$\displaystyle {R = \frac{1}{\displaystyle {\frac{1}{R_1} \times \frac{1}{R_2} \times \cdots \times \frac{1}{R_n} } }}$

12_計算式_2.png

ただ、この式の形だと複雑です。ですのでよく使う抵抗器2つの並列接続や同じ抵抗器の並列接続の形に変形します。
抵抗器を2つ並列接続したときの合成抵抗は、抵抗値のかけ算を足し算で割って求められます。この形の式を和文の積といいます。
$\displaystyle { R = \frac{1}{\displaystyle {\frac{1}{R_1} \times \frac{1}{R_2} } } = \frac{R_1 \times R_2}{R_1 + R_2} }$

12_計算式_3.png

同じ抵抗器を$n$個並列接続したときの合成抵抗は抵抗値を$n$で割れば求められます。
$\displaystyle {R = \frac{1}{\displaystyle {\frac{1}{R_1} \times \frac{1}{R_1} \times \cdots \times \frac{1}{R_1} } } = \frac{R_1}{n} }$

12_計算式_4.png


合成抵抗の計算式は以上ですので、分圧と分流について説明します。
分圧は抵抗値の比で決まります。
$V_1 : V_2 : \  \cdots \ : V_n = R_1 : R_2 : \ \cdots \ : R_n$

12_計算式_5.png

上の式を変形させただけですが、抵抗$R_i[\Omega]$の分圧$V_i[V]$を求める式は以下の通りです。$R[\Omega]$は回路全体の合成抵抗、$V[V]$は回路全体の電圧です。
$V_i = \displaystyle{ \frac{R_i}{R} } \times V$


分流は抵抗値の逆数の比で決まります。
$I_1 : I_2 : \ \cdots \ : I_n = \displaystyle{ \frac{1}{R_1} : \frac{1}{R_2} : \ \cdots \ : \frac{1}{R_n} }$

12_計算式_6.png

抵抗$R_i[\Omega]$の分流$I_i[A]$を求める式は以下の通りです。$R[\Omega]$は回路全体の合成抵抗、$I[A]$は回路全体の電流です。
$I_i = \displaystyle{ \frac{R}{R_i} } \times I$


以上で合成抵抗と分圧、分流の式の説明は終わりです。


3. 計算例

では、実際に計算をしてみようと思います。計算するのは下図の回路です。この回路の合成抵抗$R[\Omega]$、分圧$V_1[V]$$V_2[V]$、回路全体の電流$I[A]$、分流$I_1[A]$$I_2[A]$を計算します。
14_計算例_1.png


まず合成抵抗を求めます。先に下側にある並列回路の合成抵抗を求めます。この合成抵抗を$R_{23}[\Omega]$とします。
$\displaystyle { R_{23} = \frac{R_2 \times R_3}{R_2 + R_3} = \frac{80 \times 20}{80 + 20} = 16[\Omega] }$

回路全体の合成抵抗$R[\Omega]$を求めます。$R[\Omega]$は先ほど計算した$R_{23}[\Omega]$と元からある$R_1[\Omega]$の直列接続です。
$R = R_1 + R_{23} =24 + 16 = 40[\Omega]$



14_計算例_2.png

次に$R_1[\Omega]$$R_{23}[\Omega]$の分圧を求めます。先に$V_1[V]$を求め、その後$V[V]$とから$V_1[V]$を引いて$V_2[V]$を求めます(キルヒホッフの電圧則)。
$V_1 = \displaystyle{ \frac{R_1}{R} \times V = \frac{24}{40} } \times 5 = 3[V]$

$V_2 = V - V_1 = 5 - 3 = 2[V]$


最後に電流の計算です。先に回路全体の電流を求め、その後分流を求めます。回路全体の電流は合成抵抗と電圧から求められます(オームの法則)。
$I = \displaystyle{ \frac{V}{R} = \frac{5}{40} } = 0.125[A]$

分流は先に$I_1[A]$を求め、その後$I[A]$とから$I_1[A]$を引いて$I_2[A]$を求めます(キルヒホッフの電流則)。
$I_1 = \displaystyle{ \frac{16}{80} } \times 0.125 = 0.025[A]$

$I_2 = I - I_1 = 0.125 - 0.025 = 0.1[A]$


これで回路の計算は完成です。計算結果を図に加えるとこのようになります。
14_計算例_3.png



このように抵抗器が複数ある回路ですと合成抵抗や分圧、分流を計算する必要があります。
次回は分圧を利用した可変抵抗という部品とArduinoのアナログ入力機能を組みあわせたものを作ります。


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