2015年11月29日

番外編 -コンデンサ

前回まで3Gカメラの作成を行いました。3Gカメラではコンデンサ三端子レギュレータなど今まで説明しなかった部品を使いました。今回からそれらの部品について説明をしようと思います。
今回はコンデンサについて説明します。


目次



1. コンデンサの外観や記号

コンデンサが何かの前に見た目を説明します。
図1がコンデンサです。部品が3つありますが、全てコンデンサです。

P1000272.jpg
図1 コンデンサの写真

形状によってコンデンサの種類や役割が違うのですが、今回は種類に関する説明は省略します。
図1を見て分かるように、コンデンサの足は2つです。ですので、回路記号も端子は2つです。回路記号を図2に示します。

nov28_コンデンサ_1.png
図2 コンデンサの回路記号

図3は3Gカメラでコンデンサが使われている部分です。丸で囲んである箇所がコンデンサです。回路作成ソフトの都合でコンデンサの線が太いですが、「=」の記号がコンデンサです。
回路ではコンデンサをCで表します。図3のコンデンサはそれぞれC1とC2です。

nov28_コンデンサ_2.png
図3 3Gカメラ回路図(コンデンサ使用箇所のみ)


2. コンデンサの働き

コンデンサの働きは色々あるのですが、3Gカメラでは電圧の変動を抑えるためにコンデンサを使いました。電圧の変動を抑えることを平滑化といいます。
図3のIC1が電源の部品ですので、コンデンサはIC1に入力される電圧と出力される電圧の平滑化を行っています。

(以下の話は全て直流の場合です。直流についての説明はそのうちしたいと思います)
まず電圧の変動について説明します。ICを動かすためには電源から電気を供給する必要があります。
このとき、理想の電気は電圧が全く変動せずに平らな状態です。しかし、実際は図4のように電圧がギザギザな形に変動しています。

nov28_コンデンサ_3-1.png
図4 電気の変動がある回路

電圧変動が大きいとICが正しく動かない場合があるので、電圧変動は抑えた方がよいです。電圧変動を抑えるためにコンデンサを使います
図5はコンデンサを使って電圧変動を抑えた回路です。コンデンサは電源とGNDの間に接続します。

nov28_コンデンサ_4.png
図5 コンデンサで平滑化を行った回路

コンデンサをこのように接続することで電圧の変動を抑えることができます。
(図5ではコンデンサの左側と右側で電圧波形が異なるように描いていますが、表現の都合です。実際はコンデンサの左側と右側の波形は同じです)

なぜ、コンデンサを使うことで平滑化できるかを説明します。
コンデンサはとても小さい充電池のようなもので、電圧を一定にしようと充放電を行います
電源の電圧が下がった場合、コンデンサは放電することでICに供給される電圧を一定にしようとします。
一方、電源の電圧が上がった場合、コンデンサは充電することでICに供給される電圧を一定にしようとします。

例えるなら、コンデンサはバネのようなはたらきをします。電気をボールの流れとすると、電圧の変動は流れのムラのようなものです。
ボールの流れにムラがあったとしても、バネが伸び縮みすることで、ボールのムラを抑えることができます。

nov28_コンデンサ_5.png

図6 コンデンサによる平滑化のイメージ


3. コンデンサの単位

電圧は[V]、抵抗値は[Ω]と単位があるように、コンデンサにも単位があります。
コンデンサの単位はF(ファラド)といい、コンデンサが充放電できる容量を表します。大きいほど充放電に時間がかかりますし、小さければ一瞬で充放電が終わります。
電源の平滑化では0.1[μF]〜10[μF]くらいの容量のコンデンサがよく使われます。

コンデンサはとても小さい充電池のようなものといいましたが、容量が小さすぎるため基本的には充電池の代わりになりません
回路やコンデンサの容量にもよりますが、数マイクロ秒から数ミリ秒くらいで充放電が完了します。


コンデンサについての説明をまとめます。
  • とても小さい充電池のようなもので、充放電を繰り返すことができる
  • 電源とGNDの間に接続することで、電圧変動を抑えることができる
  • 単位はF(ファラド)といい、コンデンサの容量を表す
次回は三端子レギュレータについて説明しようと思います。


参考資料

  1. 作者名:村田製作所. "コンデンサとは?". サイト名:村田製作所. http://www.murata.com/ja-jp/campaign/ads/japan/elekids/compo/capacitor, (参照日:2015-11-29)


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2015年11月22日

3Gカメラ -第3回:基板実装、動作確認

前回は3Gカメラの回路図を作りました。今回は前回作成した回路図を元に基板に実装して、実際に動かします


目次



1. 基板実装

図1は前回作成した回路図です。ArduinoにSDカードシールドカメラモジュール3Gモジュールとその電源を接続しています。

回路図.png
図1 3Gカメラ回路図

図1の回路を基板に実装するわけですが、以下の点を満たすように実装しようと思います。
必要な部品一覧を表1に示します。

表1 3Gカメラ部品一覧
部品番号部品数量
1R1抵抗器 8.2[kΩ] 
2R2抵抗器 15[kΩ] 
3R3 抵抗器 120[Ω] 
4R4 抵抗器 240[Ω] 
5C1 コンデンサ 10[μF] 
6C2 コンデンサ 20[μF] 
7IC1 三端子レギュレータ AZ1117H-ADJ 
8U2 3Gモジュール
9U3SDシールド 
10U4 カメラモジュール 
118pin ピンソケット(Arduino用)
12 6pin ピンソケット(Arduino用)
13-6pin ピンソケット(3Gモジュール用)1
14-6pin ピンヘッダ(3Gモジュール用)1
15-4pin ピンソケット(カメラモジュール用)1
16-4pin ピンヘッダ(カメラモジュール用)1

図1の回路図と表1の部品表を元に作成した基板が図2と図3です。
基板の右側に赤と黒の線が2本飛び出ていますが、これは3Gモジュールの電源です。この線に5[V]〜6[V]を入力することで、基板上の3端子レギュレータが3.7[V]を生成し、3Gモジュールに供給します。

P1000213.jpg
図2 3Gカメラ基板(表面)

P1000208.jpg
図3 3Gカメラ基板(裏面)

この基板を使うときは図4のようにArduinoに乗せてピンソケットにカメラモジュールと3Gモジュールを挿して使います。

P1000201.jpg
図4 3Gカメラ使用時


2. スケッチ

今回の目的は基板を作成し動作を確認することですので、スケッチは自分で作成せずに公開されているサンプルスケッチを使います。

カメラモジュール

カメラモジュールのスケッチはAdafruit社が公開しているAdafruit-VC0706-Serial-Camera-Libraryのexampleの中にあるSnapshotを使います。
このスケッチの動きは「Arduinoが起動したらカメラモジュールで写真を撮り、SDカードに保存する」というものです。

3Gモジュール

3Gモジュールのスケッチは3GIMのマニュアルP.78「3. Arduinoシリアルモニタ画面操作スケッチ」を使います。
このスケッチの動きは「Arduinoを経由して、パソコン上のシリアル通信ソフトと3Gモジュールでシリアル」通信を行う」というものです。


3. 動作確認

基板とスケッチができたので実際に動かして、動作を確認します。

カメラモジュール

図5のような状態でカメラモジュールの動作確認を行いました。カメラモジュールは精製水のボトルに貼り付け、半田ごてやテスターなどを写そうとしています。

P1000220.jpg
図5 カメラモジュール動作確認環境

実際に撮影した写真が図6です。写真が撮ってSDに保存することができたので、カメラモジュールが正しく動いていることが確認できました

nov21_IMAGE02.JPG
図6 カメラモジュール撮影写真

3Gモジュール

3Gモジュールの動作確認はシリアル通信にて行います。実際に3G通信をできるかどうかは確認できませんが、基板上の電気的接続くらいであればシリアル通信で確認できると判断しました。

実際にシリアル通信を行った画面が図7と図8です。"$YV"というコマンドをパソコンから送ると、3Gモジュールから"$YV=OK 2.0"というメッセージが返ってきたので、3Gモジュールとシリアル通信をできていることが分かります

nov21_3G01.png
図7 3Gモジュールシリアル通信画面1


nov21_3G02.png
図8 3Gモジュールシリアル通信画面2

ただし、なぜか"Hello, ..."という文字列の前に"ホ"という文字があります。これはおかしいです。本来であれば調査すべきなのですが、"ホ"以降の文字は正常ですのでとりあえずこの問題は保留とします。
おそらく、3Gモジュールの起動時にシリアル通信の信号が不安定になっていると思います。対策としてシリアル通信開始のタイミングを変更すれば直るのではないかと推測しています。


これでカメラモジュールと3Gモジュールをそれぞれ単体で動作確認できました。
やりたいことはカメラモジュールで撮影した写真を3Gモジュールで送信することなのですが、それは3Gカメラの作成を私に依頼した知人が行うということなので、3Gカメラの作成はここまでにします。
次回からはまた別の物を作ろうと思います。


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2015年11月15日

3Gカメラ- 第2回:回路設計

前回は作りたい物(3Gカメラ)について説明を行いました。今回は3Gカメラの回路設計を行います。


目次


1. 前回の訂正

作る前に前回の図2 回路構成を変更します。カメラ周りを2箇所変更します。

表1 回路構成変更箇所
変更箇所変更理由
1電源電圧を3.3[V]から5[V]へ図の作成ミス
2レベルシフタから分圧回路へ回路の簡易化

nov14_3Gカメラブロック図訂正_1.png
図1 カメラ周辺回路構成 変更前

nov14_3Gカメラブロック図訂正_2-1.png
図2 カメラ周辺回路構成 変更後

ArduinoとカメラのUART接続には元々5[V]-3.3[V]レベルシフタを使う予定でしたが、分圧回路で代用できるのでそちらに変更します。
ArduinoからカメラへのUARTは分圧回路にて5[V]を3.3[V]に分圧します。8.2[kΩ]と15[kΩ]の抵抗器で分圧すると、5[V]が約3.3[V]になります。

$\displaystyle{\frac{15}{15+8.2}} \times 5 = 3.23[V]$

nov14_3Gカメラブロック図訂正_3.png
図3 5[V]-3.3[V]分圧回路

カメラからArduinoへのUARTは3.3[V]をそのままArduinoへ入力します。Arduinoのマイコンは3.0[V]以上をHighと認識しますので(ATmega328Pデータシート313ページより)、3.3[V]レベルでもなんとか動くことができます。

前回からの変更点は以上2点です。


2. 回路設計

前回の構成図と先ほどの変更を元に回路を設計しました。設計したといっても、部品のデータシート通りに電源やUARTを接続しただけです。
Arduinoは最終的にMegaを使うつもりですが、私がMegaを持っていないのでUnoで代用しています。

回路図.png
図4 回路図


これで3Gカメラの回路ができあがりました。次回は実際のこの回路を基板上に実装します。


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