2015年04月12日

タイマー -第9回:ダイナミック点灯の改良2(スイッチング回路の説明)

タイマー -第8回ではトランジスタの説明を行いました。今回はトランジスタを使ったスイッチング回路の説明を行います。


1. スイッチング回路とは

トランジスタはベースに流れる電流によってコレクタに流れる電流が変化する部品です。これを利用することで、スイッチと似たような動作をするスイッチング回路ができます。
本当のスイッチが押したり離したりして電流を制御するように、トランジスタのスイッチング回路ではベースに電流を流したり流さなかったりすることで電流を制御します。

下の図はLEDを制御するためのスイッチング回路です。今回はLEDを制御するのでコレクタに抵抗とLEDを繋いでいますが、コレクタに繋ぐ部品は何をスイッチ制御したいかで変わります。
Arduinoの出力ピンはベース側の抵抗に接続しておきます。
12_トランジスタ設計1-1.jpg
※この図はベース側の抵抗が1つだけの簡易的なスイッチング回路です。本来はベース側に抵抗がもう一つ必要です

Arduinoの動きとしては今まで通りLEDを点灯させたいならHighを出力し、消灯させたいならLowを出力します。
ArduinoがLow(=0[V])を出力した場合はベースに電流が流れません。ですのでトランジスタはコレクタに電流を流そうとせず、LEDが消灯します。
12_トランジスタ設計2.jpg

ArduinoがHigh(=+5[V])を出力した場合はベースに電流が流れます。ですのでトランジスタはコレクタに電流を流し、LEDが点灯します。
12_トランジスタ設計3.jpg

このように今までArduinoでLEDを制御していたときと同じように、トランジスタのスイッチング回路でLEDを制御することができます。


2. スイッチング回路の利点

スイッチング回路でLEDを制御する場合もArduinoのみでLEDで制御する場合も、HighとLowで制御することには変わりありません。
ただ、トランジスタを使うと、以下の利点があります、
  1. 電流がArduinoよりたくさん流せる
  2. ダイナミック点灯時に逆電圧がかからない
  3. 制御電圧を変更できる
1. 電流がArduinoよりたくさん流せる。
Arduinoの出力ピンが流せる電流は40[mA]です。LEDを1つ制御するだけならArduinoの40[mA]でも問題ありません。ですが、7セグメントLEDでは7つのLEDを制御しますので最大が40[mA]だと、LED1つ当たりは最大5.7[mA]と不足気味です。

一方、今回使用する予定の東芝製トランジスタ2SC1815は最大コレクタ電流が150[mA]です。これならば7セグメントLEDを制御してもLED1つ当たり最大21.4[mA]と十分流すことができます。
※トランジスタの設計時は最大コレクタ電流以外に最大コレクタ損失も守る必要があります。ですので、2SC1815を使っても回路によっては150[mA]流せない場合があります。

このようにトランジスタのスイッチング回路を使うと、7セグメントLEDを十分明るく光らせることができます。

2. ダイナミック点灯時に逆電圧がかからない
タイマー -第4回では7セグメントLEDを桁ごとに制御するため、カソード側をHighとLowで切り替えていました。
しかしこの方法ではLEDに反対方向の電圧(=逆電圧)がかかってしまうという問題があります。今回使用している7セグメントLEDの最大逆電圧は5[V]、実際に加わっている逆電圧も[5V]ですので、部品が壊れるギリギリのところです。
12_逆電圧1.jpg

カソード側をスイッチング回路で制御する場合は、本当のスイッチと同じように7セグメントLEDを桁ごとに電流のON/OFF制御をします。
ですので、LEDに逆電圧はかかりません
12_逆電圧2.jpg

3. 制御電圧を変更できる
今回の7セグメントLEDと直接の関係はない利点ですが、制御電圧を変えることができます。

Arduinoが直接High/Lowを切り替えた場合は+5[V]と0[V]の2種類しか変更できません。
スイッチング回路も2種類しか変更できないのは同じですが、+5[V]と0[V]である必要はありません。制御する電圧はトランジスタのコレクタに接続されている電源によって決まるため、Arduinoの+5[V]/0[V]とは無関係です。

LEDを光らせるには3[V]程度、トランジスタ2SC1815の最大コレクタ-エミッタ間電圧は50[V]ですので、この範囲内で自由に制御する電圧を選ぶことができます。
12_トランジスタ設計4.jpg


このようにトランジスタのスイッチング回路ではLEDの消点灯を制御することができ、Arduinoのみで制御するよりも利点が多いです。
次回はスイッチング回路の設計を行います。


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posted by ました at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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