2015年04月19日

タイマー -第10回:ダイナミック点灯の改良3(設計、実装)

タイマー -第9回でトランジスタを使ったスイッチング回路の説明をしました。今回はスイッチング回路を使ってダイナミック点灯回路の改良を行います。



使用する部品は7セグメントLEDとトランジスタはどちらも秋月電子通商で購入しました。部品の様々な情報が出てきますが、そのときはWebサイトからデータシートを確認してください。
 7セグメントLED:ダイナミック接続4桁高輝度赤色7セグメントLED表示器 カソードコモン カソード共通接続(I-03673)
 トランジスタ:トランジスタ2SC1815GR 60V150mA (20個入)(I-00881)

この部品を使って以下の回路を作っていきます。LEDが1つしかありませんが、設計自体は7セグメントLEDもLED単体も同じです。
18_トランジスタ設計1.jpg



1. 消費電力の確認

使用する7セグメントLEDの最大順方向電流は20[mA]です。電流を20[mA]流したときの電力を計算し、トランジスタや抵抗が壊れないかを確認します。
確認の順番は、各部品にかかる電圧の計算、各部品の電力の計算、計算した電力とデータシートの確認です。
もし、問題があるならば使用する部品をもう一度選び直す必要があります。

まずは各部品にかかる電圧を計算します。
部品のデータシートより、7セグメントLEDの順方向電圧は2.0[V]、トランジスタのコレクタ-エミッタ間飽和電圧は0.1[V]です。
コレクタ側抵抗の電圧は残りの電圧となりますので、5.0-2.0-0.1=2.9[V]です。
18_トランジスタ設計2.jpg

電圧の計算を終えたので電流の計算をします。
先ほど求めた各部品の電圧に最大順方向電流の20[mA]をかけます。すると以下のようになります。
 コレクタ側抵抗:2.9[V]×20[mA]=58[mW]
 7セグメントLED:2.0[V]×20[mA]=40[mW]
 トランジスタ:0.1[V]×20[mA]=2.0[mW]
18_トランジスタ設計3.jpg

最後にデータシートの最大定格電力と比較します。
計算した電力が最大定格電力より小さいならば問題ありません。
      
 項目最大定格電力
[mW]
計算電力
[mW]
判定 
 コレクタ側抵抗25058問題なし 
 7セグメントLED7240問題なし 
 トランジスタ4002問題なし 
      

全ての値が問題ありませんでした。
よって部品はこれを使い、順方向電流は20[mA]以下とします。


2. 抵抗値の計算

スイッチング回路のコレクタ側抵抗とベース側抵抗の計算をします。
最初に順方向電流を決めます。7セグメントLEDの順方向電流は20[mA]なので、今回はその半分の10[mA]流せるようにします。

順方向電流を決めるのはコレクタ側抵抗の抵抗値です。
コレクタ側抵抗の電圧は2.9[V]です。このときに電流が10[mA]となる抵抗値を計算します。
 2.9[V]/10[mA]=290[Ω]

290[Ω]という抵抗値の抵抗は少ないです。ですので、E系列の中から比較的選びやすい330[Ω]とします。

次はベース側抵抗の計算です。これはトランジスタの増幅率とコレクタに流れる電流から決まります。
トランジスタの増幅率というのはコレクタにベースの何倍の電流が流れるかという数字です。
増幅率が100倍、ベース電流が1[mA]ならばコレクタ電流は100[mA]となります。ただしコレクタ側の回路が50[mA]までしか流せないのならば、いくら増幅率が高くてもコレクタ電流は50[mA]です。

使うトランジスタの増幅率は200~400です。トランジスタの性能がばらついてもいいように最小値の200で計算します。
 10[mA]/200=50[μA]

トランジスタのベース-エミッタ間電圧は0.7[V]ですので、ベース側抵抗の電圧は5.0[V]-0.7[V]=4.3[V]です。
よって、ベース側抵抗の抵抗値は以下のようになります。
 4.3[V]/50[μA]=86[kΩ]

ベース側抵抗は86[kΩ]より小さければ問題ないので入手しやすい10[kΩ]にします。
ここの抵抗値が小さければベース電流が増えますがそれでも小さい値ですので問題ありません。

よって今回作る回路の抵抗値はこのようになりました。
18_トランジスタ設計4.jpg


3. 実装

計算した抵抗値を元に回路を作ります。さきほどはLED単体での回路でしたので、7つ分にします。


今回は4桁ありますので、これを7つると完成です。Arduinoのピン配置はこのようにしました。
      
 Arduinoピン接続先備考 
 1A0プルダウンスイッチ回路プルダウン抵抗4.7[kΩ] 
 2A1プルダウンスイッチ回路 
 3A3トランジスタベース Dig1ベース抵抗1[kΩ] 
 4D2トランジスタベース Dig2 
 5D3トランジスタベース Dig3 
 6D4トランジスタベース Dig4 
 7D67セグメントLED A抵抗値330[kΩ]
順方向電流8.8[mA]
 
 8D77セグメントLED B 
 9D87セグメントLED C 
 10D97セグメントLED D 
 11D107セグメントLED E 
 12D127セグメントLED F 
 13D137セグメントLED G 
      


スケッチはこのようにしました。変更箇所は7セグメントLEDの桁を制御するところです。
今までのダイナミック点灯はカソード側をArduinoで直接制御していたので、消灯がHighで点灯がLowでした。
スイッチング回路を使うと点灯はHighで消灯がLowと逆になります。それ以外に変更点はありません。

これが実際に光らせた写真です。上が今までのArduino単体で、下が今回のスイッチング回路使用時です。
今までは順方向電流が約3[mA]でしたが、今回は約10[mA]です。ですので今回の方が明るくなっています。
IMG_8261-3.jpg

IMG_8287.jpg

これで7セグメントLEDは終了です。


スケッチ

作成したスケッチを以下にアップロードしています。
本当は拡張子が「.ino」ですが、「.txt」に書き換えています。


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posted by ました at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の実践 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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