2015年09月06日

番外編 -デジタル通信のルール(シリアル伝送・パラレル伝送、同期・非同期)

前回は通信のルールに関する電圧レベルとシングルエンド・差動、補足としてノイズについて説明しました。今回も通信のルールに関するシリアル伝送・パラレル伝送同期・非同期、補足としてデータの単位について説明します。


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目次



1. シリアル伝送・パラレル伝送

デジタル通信では複数のデータを送る場合が多いです。複数のデータを送る方法は2種類あります。
  1. シリアル伝送:1本の線を使い、データを順番に送る
  2. パラレル伝送:複数の線を使い、データをまとめて送る
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それぞれの伝送方式の特徴を簡単に説明すると、シリアル伝送は通信速度が遅くて設計が簡単パラレル伝送は通信速度が速くて設計が難しい、です。

例えばデータの変化する速さが同じ場合、8本の線で動くパラレル伝送と1本の線で動くシリアル伝送では通信速度に8倍の差があります。もし、シリアル伝送を8本のパラレル伝送と同じ通信速度にするにはデータを変化する速さを8倍にする必要があります。
このようにパラレル伝送は線が多いため、複数のデータのやり取りを行うのに有利です。

一方、線が多いパラレル伝送は設計が難しいです。その主な要因はノイズ(前回の差動参照)対策と線の長さです。
パラレル伝送のように線が多いとノイズの影響を受けやすくなります。また、信号線自体もノイズの要因となってしまうため、線が多いとノイズの影響を受けやすいだけでなく発生するノイズも増えます。ですので、パラレル伝送はシリアル伝送よりもノイズに弱いです。
また、線が増えると線の長さも問題になります。通信を行う際は受信側に同じタイミングでデータが到達する必要があります。ですが、線の長さが違いすぎると、短い線ではデータが早く長い線では遅く到達してしまうため、同じタイミングで受信することができません。ですのでパラレル伝送では線の長さにも気を付ける必要があります。

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このようにパラレル伝送ではノイズ対策線の長さに気を付けないといけないため、シリアル伝送より設計が難しいです。通信速度が低速の場合はあまり気を付けなくていいですが、高速になるほど設計が難しいです。


2. データの単位

データ(2進数)にも単位があります。2進数1桁を1[bit](ビット)、2進数8桁を1[Byte](バイト)といいます。16進数の1桁は2進数4桁と同じですので、1[Byte]は16進数2桁と同じです。

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シリアル伝送やパラレル伝送はデータをByte単位で送ることが多いです。そのため、パラレル伝送の信号線の本数は8の倍数であることが多いです。

通信速度にも単位はあります。1秒間に1[bit]送れる速度を1[bps](bit per second)といいます。電子工作ですと数[kbps]から数百[kbps]くらいの通信速度が多いです。このくらいの通信速度でしたらノイズ対策などは基本的に不要です。数十[MHz]以上の通信速度だとノイズ対策などにも気を付ける必要があります。


3. 同期・非同期

通信を行うためには受信側でデータがどのタイミングで変化しているのかを知る必要があります。変化タイミングを知る方式は2つあり、同期方式非同期方式です。

同期方式ではデータ用の信号以外にタイミングを合わせるための信号(クロック)を使います。例えば送信側はクロックの立ち上がりタイミングに合わせてデータを変化、受信側はクロックの立ち下がりタイミングに合わせてデータを読み込むことで、送信側と受信側でタイミングを合わせられる(=同期を取る)ことができます。

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一方、非同期方式ではクロックは使わず、送信側と受信側はそれぞれあらかじめ決められたタイミングでデータを送信したり読み込んだりします。クロックは使いませんので、線はデータのみです。

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この方法の欠点は送信側と受信側で時間がずれたら正常な通信ができないということです。送信側と受信側で内部の時計が完璧にあっているということはほぼないため、時間が経つにつれてタイミングが徐々にずれ、そのうち通信エラーが発生してしまいます。

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同期方式はクロックに合わせてデータを送るため、確実にタイミングを合わせることができます。非同期だと完全にタイミングを合わせることは不可能ですので、データを送る度にタイミングを再度合わせなおすなどの必要があります。


今回と前回と合わせて通信に関する様々なルールを説明しました。通信方式は色々ありますが、基本的にこれらのルールを合わせて作られています。
  • ノイズはほぼ無視して少しのデータを送りたい→シングルエンド・シリアル・非同期
  • ノイズをある程度考慮して大量のデータを送りたい→差動・パラレル・同期
  • ノイズにとても強くしてデータを送りたい→差動・シリアル・同期

電圧レベルについて触れていませんが、電圧レベルは部品に使用する電源に左右されることが多いです。ただ、省電力を重視する場合は電圧レベルを低く、ノイズ耐性を重視する場合は電圧レベルを高くすることが多いです。


これで通信のルールに関する説明は終わりです。次回は電子工作で使うことの多い、シリアル通信という通信方式について説明します。


参考資料

  1. 作者名:鈴木直美. "FILE 4:インターフェース、なぜシリアルはパラレルよりも速い? ". サイト名:DOS/V POWER REPORT. http://home.impress.co.jp/magazine/dosvpr/q-a/0104/qa0104_4.htm, (参照日:2015-09-04)
  2. 作者名:宇野俊夫. "パラレルからシリアルへ――なぜインタフェースは転機を迎えたのか". サイト名:IT media. http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0403/18/news017.html, (参照日:2015-09-04)






posted by ました at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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