2015年10月18日

番外編 -オープンコレクタ出力

今度使おうとしている部品がI2C(アイスクウェアドシー)という通信方式をつかっており、そのI2Cではピンの出力がオープンコレクタ出力という方式です。
I2Cもオープンコレクタ出力も今までに使ったことがありませんので、今回と次回でそれらの説明をします。今回はまずオープンコレクタ出力について説明します。


目次



1. CMOS出力

オープンコレクタ出力を説明する前に普通の出力について説明します。
電子部品はデジタル信号をやり取りするためにHigh/Low 2つの電圧を出力できるようになっています(参照:LED制御(スイッチ) -第2回)。電子部品の中にはスイッチのような回路があり、この回路が電源側やGND側に切り替わることでHigh/Lowを出力します。

OCt18_CMOS出力_1.png
図1 HighとLowを出力できる電子部品のイメージ

OCt18_CMOS出力_2.png
図2 Low出力時のイメージ

OCt18_CMOS出力_3.png
図3 High出力時のイメージ

スイッチのような回路の仕組みは電子部品によって異なりますが、CMOS(しーもす)出力という方式が多いです。次によく使われるのはTTL(てぃーてぃーえる)出力です。
本ブログではこのようなHigh/Lowの2つを出力できる方式をCMOS出力と呼ぶことにします。


2. オープンコレクタ出力とは

オープンコレクタ出力もCMOS出力と同様に電子部品の中にスイッチのような回路があります。CMOS出力と違うのはオープンコレクタ出力の場合、GNDに接続するかしないかということです。電源側とは繋がりません。

OCt18_オープンコレクタ_1.png
図4 オープンコレクタ出力のイメージ

ちなみにオープンコレクタ出力という名前ですが、電子部品の中にトランジスタのスイッチング回路のようなものがあるからです。出力ピンはトランジスタのコレクタ側がそのまま接続されています。コレクタ側が他の部品に繋がっていない(=オープン)状態ですので、オープンコレクタ出力といいます。

OCt18_オープンコレクタ_2.png
図5 オープンコレクタ出力内部のイメージ

さてオープンコレクタ出力の出力についてですが、GND側に接続されたときはLowが出力されます。これはCMOS出力と同じです。

OCt18_オープンコレクタ_3.png
図6 オープンコレクタ出力Low出力時のイメージ

一方、GND側と切断されているときは、出力ピンがどこにも繋がりません。オープンコレクタ出力の電子部品はこの状態のときに、出力ピンの抵抗値がとても高くなるように作られています。このような高い抵抗値(≒インピーダンス)の状態をハイ・インピーダンス(Hi-Z)といいます。

OCt18_オープンコレクタ_4.png
図7 オープンコレクタ出力Hi-Z出力時のイメージ

ただし、出力がHi-Zだと電圧が分からない(=不定)ので、デジタル信号をただしくやりとりすることができません。
そこで、オープンコレクタ出力の場合はプルアップ回路が必須となります。プルアップ回路を付けることでオープンコレクタ出力がHi-Zのとき出力ピンはHighとなります。オープンコレクタ出力がLowのときは出力ピンもLowです。プルアップ回路についての説明は以下を参照してください。

OCt18_オープンコレクタ_5.png
図8 プルアップ回路付きオープンコレクタ出力

以上でオープンコレクタ出力の説明は終わりです。


3. オープンコレクタ出力の活用

さて、オープンコレクタ出力について説明しましたが、オープンコレクタ出力は主に複数の出力を1本の線でまとめたいときに活用されます。
図9はオープンコレクタ出力を複数まとめたときの回路です。

OCt18_オープンコレクタ_複数_1.png
図9 オープンコレクタ出力の複数接続(通常時)

ちなみにオープンコレクタ出力では何もしないときはHi-Z状態としますので、普段はHighを出力しています。Lowにしたいときだけ、出力をLowにします。

図10のように電子部品の内どれか1つでもLowになれば、出力はLowになります。このときHi-Z状態の電子部品はHi-Zを状態のままで、大丈夫です。

OCt18_オープンコレクタ_複数_2.png
図10 オープンコレクタ出力の複数接続(Low出力時)

このように複数のオープンコレクタ出力をまとめることができます。この接続方法については次回のI2Cで詳しく説明します。


なお、複数のCMOS出力をまとめることは絶対にしないでください。
CMOS出力を複数まとめるとどこかでHighとLowがぶつかります。その状態は電源とGNDが抵抗値0[Ω]で接続されている状態(=ショート)ですので、電源が流せる限りの電流を流します。大量の電流が流れると、動作不良、部品の破壊、煙の発生、出火、爆発が考えられますので、複数のCMOS出力をまとめることは絶対にしないでください。

OCt18_オープンコレクタ_複数_3.png
図11 CMOS出力の複数接続(ダメな例)


今回の説明をまとめます。
  • 電子部品のデジタル信号の出力方式は主にCMOS出力とオープンコレクタ出力がある(他にもあります)
  • CMOS出力はHigh/Lowを出力
  • オープンコレクタ出力はHi-Z/Lowを出力。プルアップ回路が必要
  • 複数のオープンコレクタ出力をまとめることができる

次回はオープンコレクタ出力を利用する通信方式I2Cについて説明します。


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posted by ました at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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