はじめに
前回はカラーLED PL9823を動かすには電源ラインに外付け抵抗が必要なのか不要なのか分からないという話をしました。
今回は実験を行って、外付け抵抗の有無を調べます。
目次
1. 外付け抵抗有り
とりあえず外付け抵抗を付けた状態でカラーLEDを点灯させ、カラーLEDの電源波形を観察します。測定箇所は図1の通りです。
カラーLEDの色はRGBで指定できますのでR:192 G:128 B:64としました。
図1 電源波形測定箇所
まずは100[Ω]を外付けして、波形を観察します。結果は図2です。
図2 外付け抵抗100[Ω]時電源波形
図2より分かることはPL9823はPWMで色を調整しているということです。電圧が4段階ありますが、最も低い電圧のときは赤・緑・青が点灯、次に低いときは赤・緑が点灯、その次は赤のみ点灯、最も高いときは全て消灯しているものと思われます。
さて、次は外付け抵抗を47[Ω]にして波形を観察します。結果は図3です。
図3 外付け抵抗47[Ω]時電源波形
電圧が4段階なのは100[Ω]時と同じです。しかし電圧が100[Ω]時と異なります。LED点灯時の電圧は100[Ω]時が2.8[V]〜3.4[V]なのに対して、47[Ω]時は3.2[V]〜4.1[V]と高いです。
仮にPL9823が抵抗を内蔵しておらずLEDだけであれば、外付け抵抗の値にかかわらず降下時の電圧は一定となるはずです。しかし、実験では外付け抵抗の値によって電圧に差が生まれました。
よってPL9823は抵抗を内蔵しており、外付け抵抗は不要の可能性が高いです。
2. 外付け抵抗無し
外付け抵抗は不要の可能性が高いので、外付け抵抗無しで実験を行います。とはいえ、外付け抵抗無しで実験を行って、過電流が流れると怖いです。
そこで、外付け抵抗有りの状態と無しの状態で電流値を測定し、過電流が流れないことを確認します。その結果が表1です。
表1 外付け抵抗と電流
抵抗[Ω] | 電流[mA] |
100 | 15.1 |
47 | 16.5 |
10 | 17.3 |
0 | 17.5 |
表1のように外付け抵抗無し(=0[Ω])でも過電流は流れませんでした。またPL9823に使われているカラーLED制御IC WS2811は18.5[mA]が標準ですので、外付け抵抗無しでの電流が標準に近いです。
ですので、PL9823は外付け抵抗無しで動かして問題なさそうです。
外付け抵抗無しでの波形が図4です。ノイズは多少乗っているものの5[V]で安定しており、特に問題はなさそうです。
図4 外付け抵抗無し電源波形
まとめ
実験で外付け抵抗の必要性を調べたところ、PL9823に外付け抵抗は不要という結果が得られました。また、100[Ω]を外付けしたときはたまにカラーLEDが白く点灯しました。おそらく電圧降下によってカラーLEDの動作が不安定になっているものと思われます。
PL9823の外部回路が分かりましたので、次回はカラーLEDを動かします。