2015年05月24日

温度センサー -第2回:アナログ入力

前回はArduinoで温度を測るための流れを説明しました。今回はArduinoが電圧を読み取る機能のアナログ入力について説明します。

アナログ入力に使えるピンは決まっていて、「Analog IN」と書かれている箇所がアナログ入力に使用できるピンです。このピンに測りたい電圧の線を繋ぐと、電圧を測定することができます。
24_アナログ入力_1.jpg

Arduinoはアナログ入力ピンに接続された電圧を分割して読み取ります。分割されていない実際の電圧をアナログ、分割されてArduinoが処理する値をデジタル、アナログからデジタルに変換することをアナログ/デジタル変換(以下、A/D変換)といいます。
アナログやデジタルは電圧に限らず、世の中に存在する実際の値ならばアナログ、機械で処理するために分割した値ならばデジタルです。

例えば、0〜5[V]の範囲を8段階に分割するA/D変換を考えます。0〜5[V]の電圧を等間隔に分割し、それぞれに0〜7までの番号を割り振ります。
24_AD変換_1.jpg

このA/D変換に2.8[V]を入力したとします。この電圧が含まれている範囲は4なので、A/D変換結果は4となります。
24_AD変換_2.jpg

このように電圧のA/D変換では電圧を等間隔に分割し、その箇所の番号を出力します。
ArduinoのA/D変換は、範囲が0〜5[V]、分割数が1024です。ですので、A/D変換出力の1当たりの電圧は5[V]/1024=4.88[mV]です。
A/D変換結果が1なら4.9「mV]、5なら24.4[mV]、1023なら4995.1[V]の電圧がアナログ入力ピンに繋がっていることが分かります。

ArduinoでA/D変換結果を読むにはスケッチのanalogRead()関数を使います。これでアナログ入力ピンに繋がっている電圧を知ることができるので、温度センサーLM35の仕様に従って電圧から温度を計算すれば、Arduinoで温度を測ることができます。

次回は実際にArduinoと温度センサーを使って、温度を測ってみます。


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2015年05月10日

番外編 -キルヒホッフの法則2(計算)

前回はキルヒホッフの法則(第一法則と第二法則)について説明しました。
今回はキルヒホッフの法則とオームの法則を使って回路の計算式を作ります。大抵の電気回路はこの2つの法則を使えば計算式を作ることができます。


計算式を作る回路は電源が1つ、抵抗器が3つの回路です。

10_キルヒホッフの計算_1.jpg


計算式を作る準備として、電流と電圧(電圧降下)を考えます。
3つの抵抗器に流れる電流をそれぞれI1[A]、I2[A]、I3[A]とします。

10_キルヒホッフの計算_2.jpg

点A-点B間の電圧をV1[V]、点B-点C間の電圧をV2[V]とします。
10_キルヒホッフの計算_3.jpg

電流と電圧を回路に加えると、このようになります。
10_キルヒホッフの計算_4.jpg

上の回路を元に計算式を作っていきます。
キルヒホッフの第一法則(入ってくる電流の合計と出ていく電流の合計は同じ)より以下の式が成り立ちます。
I1=I2+I3

キルヒホッフの第二法則(起電力の合計と電圧降下の合計は同じ)より以下の式が成り立ちます。
E=V1+V2

オームの法則(V=I×R)より以下の式が成り立ちます。
V1=I1×R1
V2=I2×R2=I3×R3

オームの法則とキルヒホッフの法則を使い、4つの計算式を作ることができました。
実際に電圧や電流を求めたい場合は、これら4つの式を解いていけば求めることができます。
このようにオームの法則とキルヒホッフの法則を使うことで電気回路を解いていくことができます。


次回はまたArduinoを使った何かに戻ろうと思います。今のところ、温度センサーを使った何かをしようと考えています。


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2015年05月02日

番外編 -キルヒホッフの法則1(法則の説明)

今回も電気の基本を説明します。今回説明するのは「キルヒホッフの法則」です。
キルヒホッフの法則とは回路の電流や電圧を計算するのに使う法則です。今までのLEDやトランジスタを使った回路を計算するときにもこの法則を使っていました。




1. キルヒホッフの電流則

「回路網中の任意の分岐点に流れ込む電流の和は、流れ出る電流の和に等しい」[1]
上記の法則ををキルヒホッフの第1法則またはキルヒホッフの電流則といいます。
言い換えると「回路が分かれたり合流したりしても、入ってくる電流と出ていく電流の合計は同じ」ということです。

下図のように電源が1つあり、2つの抵抗器が並列に接続されている回路を考えます。
電源から出ていく電流をI1、抵抗器R1に流れる電流をI2、抵抗器R2に流れる電流をI3、電源に戻ってくる電流をI4とします。
02_キルヒホッフの電流則_1.jpg

電流はI1は点AでR1とR2に分流(電流が並列接続された部品それぞれに分かれること)します。キルヒホッフの電流則より、分流しても電流の合計は変わりませんので以下の式が成り立ちます。
 I1=I2+I3

またI2とI3は点Bで合流します。キルヒホッフの電流則より、合流しても電流の合計は変わりませんので以下の式が成り立ちます。
 I2+I3=I4

このように電流が分流したり合流したりしても変わらないというのがキルヒホッフの電流則です。
ですので、下図の上側はキルヒホッフの電流則に従っているので成り立ちますが、下側は従っていないので成り立ちません。
02_キルヒホッフの電流則_2.jpg


2. キルヒホッフの電圧則

「回路網中の任意の閉回路を一定の向きにたどるとき、回路の各部の起電力の総和と、電圧降下の総和とは等しい」[2]
上記の法則ををキルヒホッフの第2法則またはキルヒホッフの電圧則といいます。
言い換えると「回路両端の電位差と部品にかかる電圧の合計は同じ」ということです。

下図のように電源が1つあり、2つの抵抗器が直列に接続されている回路を考えます。
電源の起電力をE1、抵抗器R1の電圧降下をV1、抵抗器R2の電圧降下をV2とします。
03_キルヒホッフの電圧則_1-1.jpg

電源E1にR1とR2が直列接続されていますので、R1とR2両端(点A-点B間)の電位差はE1です。電位差E1はR1とR2に分圧(電圧が直列接続されたそれぞれの部品に分かれること)します。キルヒホッフの電圧則より、分圧しても電圧の合計は変わりませんので以下の式が成り立ちます。
 E1=V1+V2


このように電圧は分圧しても変わらないというのがキルヒホッフの分圧則です。
ですので、下図の上側はキルヒホッフの電圧則に従っているので成り立ちますが、下側は従っていないので成り立ちません。
03_キルヒホッフの電圧則_2.jpg


以上がキルヒホッフの電流則と電圧側です。この法則とオームの法則を知っていれば大抵の電気回路を理解することができます
次回はこれらの法則を使って回路の電圧と電流を計算してみようと思います。


参考文献

[1] 堀田栄喜ほか. 電気基礎1. 実教出版., 2005, p.41
[2] 堀田栄喜ほか. 電気基礎1. 実教出版., 2005, p.41-42


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2015年04月25日

番外編 -色々な電圧(電位差、起電力、電圧降下)

タイマー -第10回で7セグメントLEDを使ったタイマーが完成しました。
しばらくはものを作らずに、電気のあれこれを書こうと思います。

今までいろいろな計算の時に何度も「電圧」という言葉を使ってきました。ですが電圧についてはLチカ -第2回で少し触れただけです。
そこで今回は電圧についてもう少し説明したいと思います。




1. 電圧とは(電位差)

電圧を理屈的に表現すると、「電圧とは2点間の電位の差である」ということです。これを電位差ともいいますので、電位差=電圧となります。
イメージとしては球と地面の高さの差です。「球と地面」が「2点間」、「高さの差」が「電位の差」に相当します。
25_電圧の説明_1.jpg

上の図の球ABCはどれも同じ高さにあります。ですが基準と地面との距離が全て異なっているので、高さの差は全て異なります。
電位も高さと同じように考えて大丈夫です。
ある箇所の電位と基準となる電位の差があればあるほど電圧は高いですし、差がなければ電圧は低いです。

このように電圧とは差です。ですので電圧を求める際は基準をはっきりとさせる必要があります。回路の基準は「グランド(GND)」といい、これを0[V]として扱います。
今までの回路もGNDを0[V]として、GNDからの電位差を電圧として扱ってきました。


2. 起電力と電圧降下

下の図はLEDの回路図です。LED以外に電源と抵抗があります。
25_起電力と電圧降下_1.jpg

今までもこのように電圧を矢印で書いておりましたが、部品によって電圧の役割は2種類に分けられます。
電源の電圧=起電力
LED、抵抗の電圧=電圧降下

電源は電圧を発生させます。これを起電力といいます。一方、LEDや抵抗は電圧を利用します。これを電圧降下といいます。
このように「部品の電圧」といっても「起電力」と「電圧降下」の2種類があります。

なお、回路図に電圧を矢印で表現する際は、「基準とする側」を矢印の根元にしております。
ですので、それぞれの部品の電圧は根元と先端の電位差です。


3. まとめ

今回は新しく、電位差、起電力、電圧降下の3つの言葉が出てきました。ただ、今後はこれらの言葉はあまり使わないと思います。
なぜなら今までも全て電圧という言葉で表現してきてきましたし、これからもそうするからです。
A点とB点の電位差は5[V]=A点とB点の電圧は5[V]
電池の起電力は1.5[V]=電池の電圧は1.5[V]
抵抗の電圧降下は3[V]=抵抗にかかる電圧は3[V]

ただ、「電圧」という言葉で全て表現できますが、それぞれの意味は異なっております。
今回の記事で伝えたかったのは、 「今まで使ってきた電圧という言葉は色々な意味がある」 ということです。

ちなみに起電力の総和と電圧降下の総和が同じとなることをキルヒホッフの電圧則といいます。次回はこのキルヒホッフの電圧則について説明します。


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ラベル:電気回路基礎
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2015年04月12日

タイマー -第9回:ダイナミック点灯の改良2(スイッチング回路の説明)

タイマー -第8回ではトランジスタの説明を行いました。今回はトランジスタを使ったスイッチング回路の説明を行います。


1. スイッチング回路とは

トランジスタはベースに流れる電流によってコレクタに流れる電流が変化する部品です。これを利用することで、スイッチと似たような動作をするスイッチング回路ができます。
本当のスイッチが押したり離したりして電流を制御するように、トランジスタのスイッチング回路ではベースに電流を流したり流さなかったりすることで電流を制御します。

下の図はLEDを制御するためのスイッチング回路です。今回はLEDを制御するのでコレクタに抵抗とLEDを繋いでいますが、コレクタに繋ぐ部品は何をスイッチ制御したいかで変わります。
Arduinoの出力ピンはベース側の抵抗に接続しておきます。
12_トランジスタ設計1-1.jpg
※この図はベース側の抵抗が1つだけの簡易的なスイッチング回路です。本来はベース側に抵抗がもう一つ必要です

Arduinoの動きとしては今まで通りLEDを点灯させたいならHighを出力し、消灯させたいならLowを出力します。
ArduinoがLow(=0[V])を出力した場合はベースに電流が流れません。ですのでトランジスタはコレクタに電流を流そうとせず、LEDが消灯します。
12_トランジスタ設計2.jpg

ArduinoがHigh(=+5[V])を出力した場合はベースに電流が流れます。ですのでトランジスタはコレクタに電流を流し、LEDが点灯します。
12_トランジスタ設計3.jpg

このように今までArduinoでLEDを制御していたときと同じように、トランジスタのスイッチング回路でLEDを制御することができます。


2. スイッチング回路の利点

スイッチング回路でLEDを制御する場合もArduinoのみでLEDで制御する場合も、HighとLowで制御することには変わりありません。
ただ、トランジスタを使うと、以下の利点があります、
  1. 電流がArduinoよりたくさん流せる
  2. ダイナミック点灯時に逆電圧がかからない
  3. 制御電圧を変更できる
1. 電流がArduinoよりたくさん流せる。
Arduinoの出力ピンが流せる電流は40[mA]です。LEDを1つ制御するだけならArduinoの40[mA]でも問題ありません。ですが、7セグメントLEDでは7つのLEDを制御しますので最大が40[mA]だと、LED1つ当たりは最大5.7[mA]と不足気味です。

一方、今回使用する予定の東芝製トランジスタ2SC1815は最大コレクタ電流が150[mA]です。これならば7セグメントLEDを制御してもLED1つ当たり最大21.4[mA]と十分流すことができます。
※トランジスタの設計時は最大コレクタ電流以外に最大コレクタ損失も守る必要があります。ですので、2SC1815を使っても回路によっては150[mA]流せない場合があります。

このようにトランジスタのスイッチング回路を使うと、7セグメントLEDを十分明るく光らせることができます。

2. ダイナミック点灯時に逆電圧がかからない
タイマー -第4回では7セグメントLEDを桁ごとに制御するため、カソード側をHighとLowで切り替えていました。
しかしこの方法ではLEDに反対方向の電圧(=逆電圧)がかかってしまうという問題があります。今回使用している7セグメントLEDの最大逆電圧は5[V]、実際に加わっている逆電圧も[5V]ですので、部品が壊れるギリギリのところです。
12_逆電圧1.jpg

カソード側をスイッチング回路で制御する場合は、本当のスイッチと同じように7セグメントLEDを桁ごとに電流のON/OFF制御をします。
ですので、LEDに逆電圧はかかりません
12_逆電圧2.jpg

3. 制御電圧を変更できる
今回の7セグメントLEDと直接の関係はない利点ですが、制御電圧を変えることができます。

Arduinoが直接High/Lowを切り替えた場合は+5[V]と0[V]の2種類しか変更できません。
スイッチング回路も2種類しか変更できないのは同じですが、+5[V]と0[V]である必要はありません。制御する電圧はトランジスタのコレクタに接続されている電源によって決まるため、Arduinoの+5[V]/0[V]とは無関係です。

LEDを光らせるには3[V]程度、トランジスタ2SC1815の最大コレクタ-エミッタ間電圧は50[V]ですので、この範囲内で自由に制御する電圧を選ぶことができます。
12_トランジスタ設計4.jpg


このようにトランジスタのスイッチング回路ではLEDの消点灯を制御することができ、Arduinoのみで制御するよりも利点が多いです。
次回はスイッチング回路の設計を行います。


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