2016年06月19日

イヤホン用ケーブル(MMCX)作り -第2回:ケーブル作成

はじめに

前回は作りたいイヤホン用交換ケーブルの説明やATT(アッテネータ)の簡単な説明を行いました。今回はイヤホン用交換ケーブルを作ります。
 

目次

 

1. 部品一覧

ケーブルを作るために必要な部品です。なお、ATT関係の部品は除いてあります。
 
表1 使用部品一覧
項  品名  数量  URL 
1 MMCXプラグ  2個  http://oyaide.com/catalog/products/p-4947.html 
3.5mmプラグ  1個  http://oyaide.com/catalog/3-5mm_3.html 
ケーブル  1m  http://oyaide.com/catalog/products/p-257.html 
収縮チューブ15cmバラ
(3.2mm→1.6mm) 
1個  http://oyaide.com/catalog/hsttvabara.html 
絶縁キャップ(白)  2個  http://oyaide.com/catalog/products/p-1872.html 
他には作業をするために半田ごてやニッパー、ストリッパー、ホットボンドなどの工具が必要です。
  

2. ATT作成

作るケーブルには音量を下げるという目的もありますので、ATTを作ります。
図1は作成するATTの回路図です。
 
ATT-schematic.png
図1 ATT回路図
  
π型ATTを2段とし、合計約30[dB]減衰させています。また効果があるかどうかは不明ですが、インピーダンスの変換も行っています。
私は自分で計算しましたが、自作されるのでしたら「ATT 計算」で検索するとATTの設計用ツールが見つかるので、入出力インピーダンスを16[Ω]程度と仮定して設計するとよいと思います。
 
上記の回路図を元に作成したATTが図2です。音質への影響が少なくなるよう線を短く、扱いやすいよう小さく作りました。
 
P2280345.jpg
図2 ATT
 

3. ケーブル作成

ATTを作りましたので、ケーブルを作っていきます。
 
まずMMCXコネクタとケーブルを半田付けします(図3)。信号側とGND側の誤配線や短絡、断線、半田付け時の加熱による破損などに気を付けながら半田付けします。
写真はありませんが、半田付け後はホットボンドで絶縁と固定を行いました。
 
P2280346.jpg
図3 MMCXコネクタの半田付け
 
MMCXコネクタを半田付けしたら、今度はATTを半田付けします。その際はATTを半田付けする前に、収縮チューブや絶縁キャップをケーブルに被せて保護します。ATTも半田付け後にホットボンドで絶縁と固定を行います。
意味があるかどうかは分かりませんが、ATTからMMCXコネクタまでのケーブルは短めにしています。これは音の信号はATT通過後に弱まりますので、信号が微弱だと外来ノイズの影響を受けやすくなるかもと思ったためです。
これらのものを右音声と左音声用に合わせて2つ作成します(図4)。
 
P2280350.jpg
図4 ケーブル保護とATTの半田付け
 
今度はケーブルとミニプラグを半田付けします(図5)。ミニプラグはネジ式になっていますので回して外して、半田付けします。右と左の誤接続や断線、短絡に気を付けます。半田付け後はホットボンドで絶縁と固定をし、キャップを回してはめます。
 
P2280347.jpg
図5 ミニプラグの半田付け
 
ミニプラグには右音声と左音声合わせて2つのケーブルが接続されます。そのため半田付け後は2つのケーブルをねじってまとめます(図6)。ケーブルが左右に分岐する箇所では収縮チューブを被せておきます。
 
P2280349.jpg
図6 ねじったあとのケーブル
 
あとはミニプラグ側のケーブルをATTを半田付けし、熱収縮チューブを加熱して完成です(図7)。
 
P2280353.jpg
図7 完成後のケーブル
 

まとめ

市販されている部品を使い、イヤホン用交換ケーブルを作りました。
付属のケーブルに比べて短くなったたため扱いやすくなりました。またATTを入れたため、それまでは音量がほぼ最小で鳴らしていたのが、中くらいの音量でちょうど良くなり、音量の微調整がやりやすくなりました。
 
これでイヤホン用交換ケーブルは完成です。次回はカラーLEDの制御をしようと思います。
 

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2016年06月16日

イヤホン用ケーブル(MMCX)作り -第1回:概要

はじめに

突然ですが私が持っているイヤホンはSHURE製のSE315です。SHURE製のイヤホンは遮音性が良いので愛用しています。
 

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ただ使っている内に、以下2つのことが気になってきました。
  • ケーブル長が162[cm]と長い
  • 再生側のボリュームを小さくしても鳴る音が大きいので、音量の微調整がやりにくい
上記2点を改善したいと思います。
 
ちなみにこのシリーズではArduinoは全く関係ありません。
 

目次

 

1. やること

気になる点を改善するには以下2つのことをやればよいです。
  • ケーブルを短くする
  • イヤホン側で音量を下げる
幸いにもSE315はケーブルが着脱可能なタイプのイヤホンです。ですので、上記2つを満たすようなケーブルを自作すれば、気になる点を改善することができます。
 
SE315はケーブルの着脱用としてMMCXコネクタを採用しています。MMCXコネクタを採用しているイヤホンはそこそこあるため、「MMCX 自作」で検索すると様々な情報が集まります。
 

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MMCXコネクタに3.5mmミニプラグとイヤホン用ケーブル、そして音量を下げる部品があればケーブルを自作できます。
 

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ちなみにミニプラグとケーブルは上記2点を紹介していますが、こんな高い物使っていません。私が購入したのはプラグは1個当たり200円〜300円程度、ケーブルは1m当たり300円〜400円程度のものです。
購入した部品の紹介などは次回行うつもりです。
 

2. 音量を小さくする方法(ATT)

さて、音量を小さくする(=信号を減衰させる)方法ですが、減衰器(アッテネータ、以下ATT)という部品をつかいます。この部品は文字通り信号を減衰することができます。
ATTの主なパラメータは減衰量で、単位はdB(デシベル)です。減衰量が大きいほど信号は小さくなります。
 
ATTや減衰量については詳しく説明しません。入出力インピーダンスや対数など説明することが増えるからです。またATTにもL型やT型、π型などいくつか種類があります。気になる方は参考資料の方を見てください。
とりあえずATTを入れることで音量を下げることができるとだけ覚えてください。
 
簡易的なATTであれば抵抗器が3つあれば作れます
ですので抵抗器からATTを自作し、自作ATTをケーブルに付ければ、音量を小さくするケーブルを作ることが出来ます
 

まとめ

今回は作りたいイヤホン用ケーブルの説明とATTに関する簡単な説明を行いました。
次回からは実際に作っていきます。
 

参考資料

  1. 作者名:小野測器. "技術レポート db(デシベルとは)". サイト名:小野測器. https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/decibel/index.htm, (参照日:2016-06-16)
  2. 作者名:オリックス・レンテック株式会社. "いろいろなデシベル". サイト名:オリックス・レンテック株式会社. http://www.orixrentec.jp/helpful_info/detail.html?id=73, (参照日:2016-06-16)
  3. 作者名:オリックス・レンテック株式会社. "アッテネータとその使い方". サイト名:オリックス・レンテック株式会社. http://www.orixrentec.jp/helpful_info/detail.html?id=60, (参照日:2016-06-16)
 

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タグ:オーディオ
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2016年06月14日

シリアル通信の無線化 -第4回:作成

はじめに

お久しぶりです。多少はブログのネタもできてきたので、更新を再開しようかと思います。
ただし今までのように定期的な更新を行うのではなく、今後も不定期で更新しようと思ってます。
 

目次

 

1. おさらい

Bluetoothの使用方法はプロファイルというルールで決められており、SPP(Serial Port Profile)というプロファイルを使えばBluetoothでシリアル通信を行うことができます。RN-42はSPPに対応していますので、Bluetoothが載っているパソコンなどとシリアル通信を行えます。またRN-42にはシリアル通信のピンがありますので、有線でArduinoを繋ぐことができます。(図1)
 
June13_Bluetooth-SPP.png
図1 作成物概要
 
このようなものを作ります。
 

2. 実装

ハードウェア

図2が作成した回路です。
 
Wireless-LCD.png
図2 回路図
 
Arduino Unoは5[V]でRN-42は3.3[V]ですので、それらの間にはIC3(レベルシフタFXMA108)があります。これで5[V]-3.3[V]の変換を行います。また、RN-42用の電源としてIC4(三端子レギュレータTA48M033F)を使っています。
 
シリアル通信の線はArduinoのD10とD11に接続します。ですので、シリアル通信はソフト的に行います。
 
シリアル通信を行うだけならこれでいいのですが、それだけだと面白くないので以前作成したキャラクタ液晶(DIS1)も接続し、通信内容を表示できるようにします。
 
 
この程度の回路なら実装はブレッドボードでもできますが、基板設計の練習を兼ねてEagleで設計し、ユニクラフトに発注して、基板を作りました。
上にある部品がキャラクタ液晶、右下にある部品がRN-42です。Arduinoシールドとして使用できるように設計しています。
 
P2280374.jpg
図2 回路図
 
これで回路設計と基板実装ができました。
 

ソフトウェア

シリアル通信を行うだけなら、Software.Serialライブラリを使えば動かすことができます。
キャラクタ液晶で作成したスケッチをソフトウェアシリアル化したスケッチが以下です。
/* 使用しているライブラリ
 * 作者名:TOMO. "I2C液晶のArduinoライブラリ – ST7032". サイト名:オレ工房. http://ore-kb.net/archives/195, (参照日:2016-01-17)
 */

#include <Wire.h>
#include <ST7032.h>
#include <string.h>
#include <SoftwareSerial.h>

// initialize the library with the numbers of the interface pins
ST7032 lcd;
SoftwareSerial mySerial(10, 11); // RX, TX

int i, n, n1=0, n2=0;
char str1[30]="", str2[30]="";

void setup(){
  // set up the LCD's number of columns and rows: 
  lcd.begin(8, 2);
  lcd.setContrast(27);
  // initialize the mySerial communications:
  mySerial.begin(9600);
}

void loop()
{
  // when characters arrive over the mySerial port...
  if (mySerial.available()) {
    // wait a bit for the entire message to arrive
    delay(100);
    
    //1行目の文字列を2行目に移動
    strcpy(str2, str1);
    n2=n1;

    // read all the available characters
    i=0;
    while (mySerial.available() > 0) {
      // display each character to the LCD
      str1[i]=mySerial.read();
      i++;
    }
    str1[i]='\0';
    n1=i;

    //2行のうち、文字数が多い方を採用
    if(n2 > n1){
      n=n2-7;
    }
    else{
      n=n1-7;
    }

    lcd.clear();
    lcd.home();
    lcd.setCursor(0,0);
    lcd.print(str1);
    lcd.setCursor(0,1);
    lcd.print(str2);
  }
  // clear the screen
  
  //8文字以上の場合スクロール処理
  if(0<n){
    delay(1500);
    for(i=0; i<n; i++){
      //スクロール処理中にシリアル受信をしたらbreak
      if (mySerial.available()) {
        break;
      }
  
      lcd.scrollDisplayLeft();
      delay(500);
    }

    //breakによる脱出でなければスクロールを先頭に戻す
    if(i==n){
      delay(1000);
      if (mySerial.available()==0) {
        lcd.clear();
        lcd.home();
        lcd.setCursor(0,0);
        lcd.print(str1);
        lcd.setCursor(0,1);
        lcd.print(str2);
      }
    }
  }
}
 

3. 動作確認

では実際にBluetoothでシリアル通信を行います。
まず、パソコンとRN-42を接続します。画面でRNBT-4703と表示されているのがRN-42ですので、これとBluetoothで接続します。
 
2016-06-11 (4).png
図3 Bluetooth接続画面
 
あとは有線と同じようにポートを接続し、シリアル通信できます。
今回使用しているRN-42モジュールはシリアル通信の接続状態を示すためのLEDが実装されています。切断時は点滅、接続時は点灯します。
 
  

まとめ

Bluetooth SPPを使うことで、Arduinoのシリアル通信を無線化することができました。
  

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posted by ました at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の実践 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月01日

休止のお知らせ

申し訳ありませんが、本ブログの更新を1ヶ月から2ヶ月ほど休止いたします。
ネタ切れ気味でしてこのまま毎週更新を続けても内容が薄っぺらくなると判断したからです。
更新を再開した際はどうぞよろしくお願いいたします。
posted by ました at 11:14| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月25日

シリアル通信の無線化 -第3回:回路設計

申し訳ないですが、今回は記事作成が間に合わないので仮の記事です。そのうちきちんと書きます。
前回はBluetoothモジュールRN-42のおおまかな仕様を確認しました。必要な回路は主に3つです。
  • 電源系
  • シリアル通信系
  • デジタルI/O系
RN-42の電源は3.3[V]ですので、Arduinoと直接接続することはできません。ですので3.3[V]電源やレベルシフタを接続する必要があります。また、RN-42にはGPIO(General Purpose Input/Output, 汎用入出力)があり、このピンで初期設定などができます。
それらを以下のように接続すれば、基本的な動作を行うことが出来ます。
 
Mar25_回路図.png
 
予定では各GPIOやレベルシフタの説明をするつもりでしたが、ちょっとできそうにないので回路図だけ載せておきます。
 
身の回りのことが落ち着いて忙しいのが一段落したら、もう一度記事を作り直します。
posted by ました at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作の実践 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする